波多野誼余夫
波多野 誼余夫(はたの ぎよお、1935年11月27日 - 2006年1月13日)は、日本の心理学者。専攻は認知心理学・教育心理学。
目次
1 人物
2 著書
2.1 単著
2.2 共編著
3 論文
4 脚注
5 参考文献
人物
東京生まれ。両親はともに心理学者の波多野完治、波多野勤子。兄に国際法学者の波多野里望。誼余夫の名はフランスの心理学者ポール・ギヨームにちなんでつけられたという。
東京大学教育学部卒業。同大学大学院教育心理学専攻修了(教育学博士)。
獨協大学教授、慶應義塾大学文学部教授を歴任。2001年定年退任後、放送大学教養学部教授在職中に間質性肺炎のため急死した。
日本の心理学者の中で、国際的にも知られた数少ない心理学者の一人である。国際的な研究誌に掲載された論文多数[1]。また、研究誌の編集委員(レフリー)も務めた。
全米教育アカデミー外国人会員(1992年)。Congnition, Congnitio & Instruction, Human Development など欧米7つの学術誌の編集委員を務めた[1]。
著書
単著
- 『知力をさぐる 認知科学からのアプローチ』 日本放送出版協会 NHK市民大学 1988年
共編著
稲垣佳世子共著 『発達と教育における内発的動機づけ』 明治図書出版 1971年- 稲垣佳世子共著 『知的好奇心』中公新書 1973年
高橋恵子共著 『いたずらざかりのしつけ』 第三文明社 1975年- 藤永保共編著 『幼児の知的教育 のぞましい成長のために』 対談集 チャイルド本社 1976年
久原恵子共著 『入門教育心理学』有斐閣双書 1976年- 稲垣共著 『知力の発達 乳幼児から老年まで』岩波新書 1977年
- 『自己学習能力を育てる 学校の新しい役割』 東京大学出版会 1980年
- 稲垣共著 『無気力の心理学 やりがいの条件』中公新書 1981年
- 稲垣共著 『知力と学力 学校で何を学ぶか』岩波新書 1984年
- 『音楽と認知 認知科学選書』 東京大学出版会 1987年
山下恒男共編 『教育心理学の社会史 あの戦争をはさんで』有斐閣 1987年- 稲垣共著 『人はいかに学ぶか 日常的認知の世界』中公新書 1989年
- 高橋恵子共著 『生涯発達の心理学』岩波新書 1990年
- 編 『認知心理学5: 学習と発達』東京大学出版会 1996年
- 高橋恵子共著 『文化心理学入門』岩波書店 1997年
- 永野重史、大浦容子共編著『教授・学習過程論 学習の総合科学をめざして』 放送大学 2002年
- 高橋惠子共編著 『感情と認知』 放送大学 2003年
大津由紀雄共編著 『認知科学への招待 心の研究のおもしろさに迫る』 研究社 2004年- 岩村秀、中島尚正共編著 『若者の科学離れを考える』 放送大学 2004年
- 大浦容子、大島純共編著 『学習科学』 放送大学 2004年
西川泰夫共編著 『心の科学』 放送大学 2004年- 稲垣共著・監訳 『子どもの概念発達と変化 素朴生物学をめぐって』 共立出版 2005年
- 稲垣共編著 『発達と教育の心理学的基盤』 放送大学 2005年
高野陽太郎共編著 『認知心理学概論』 放送大学 2006年- 大津由紀雄、三宅なほみ共編著 『認知科学への招待 2』 研究社 2006年
- Conceptual change : Japanese perspectives / edit by Giyoo Hatano. -- Karger, 1994
- Affective minds : a collection of papers based on presentations at the 13th Toyota Conference, Shizuoka, Japan, 29 November to 2 December 1999 / edited by Giyoo Hatano, Naoyuki Okada and Hirotaka Tanabe. -- Elsevier, 2000
- Learning to read and write : a cross-linguistic perspective / edited by Margaret Harris and Giyoo Hatano ; : hard. -- Cambridge University Press, 1999. -- (Cambridge studies in cognitive perceptual development)
- Young children's naive thinking about the biological world / Kayoko Inagaki, Giyoo Hatano. -- Psychology Press, 2002. -- (Essays in developmental psychology)
論文
- 「父母の教育に対する態度のQ―技法による研究」 『教育心理学研究』 第10巻 1号(1962年)
- 「子どもの反応が忘れられている」 『別冊現代教育科学』 第2巻(1964年)
- 「ピアジェと実験児童心理学」 波多野完治編 『ピアジェの発達心理学』 国土社(1965年)
- 「親の価値意識と家庭のしつけ」 『児童心理』 第19巻 2号(1965年)
- 「概念学習の能力と発達」 『心理学研究』 第32巻 2号(1966年)
- 「認知心理学の発展とマスコミュニケーション研究」 『東京大学教育学部紀要』 第9巻(1967年)
- 「音楽におけるゲシュタルトの概念」 『国立音楽大学研究紀要』 第3集(1967年)
- 「内発的動機づけ」 波多野完治ほか編 『心理学のすすめ』 筑摩書房(1968年)
- 「思考心理学は教授理論にどう寄与するか」 『現代教育科学』 第12巻 2号(1968年)
- 「コーディングと有意味記憶」 梅本堯夫編 『講座心理学7. 記憶』 東京大学出版会(1969年)
- 「音楽への情報論的接近」 『音楽学』 14(1969年)
久原恵子と共著 「有意味学習の実験的研究 I II」 『心理学研究』 第40巻 4号(1969年)・6号(1970年)- 「概念形成研究への発達的アプローチ-新ピアジェ派の学習実験をめぐって」 『心理学評論』 第13巻 1号(1970年)
- 「仮説実験授業における動機づけ」 『科学教育研究』 3(1971年)
- 「論理的思考の訓練 (1) (2)」 『児童心理』 第26巻 3号 - 4号(1972年)
- 「罪と罰の心理学的考察」 『児童心理』 第28巻 4号(1974年)
- 「日本の発達心理学のアイデンティティを求めて」 第20回日本教育心理学会総会 「歴史と展望」 刊行委員会編 『教育心理学シンポジウム-歴史と展望 1958 - 1978』 川島書店(1968年)
- 「文化と認知発達 上下」 『サイコロジー』 第27巻 - 28巻(1982年)
- 「新ピアジェ派学習実験への示唆」 稲垣佳世子編 『ピアジェ理論と教育』 国土社(1982年)
- 「演繹的推論」 佐伯胖編 『認知心理学講座 3. 推論と理解』 東京大学出版会(1982年)
- 「文化と認知発達 上下」 『サイコロジー』 第27号 - 28号(1982年)
- 「学習における注意の内生説」 『心理学評論』 第26巻 3号(1983年)
- 「ナイーブな認知科学者の視点から」 大津由紀雄編 『ことばからみた心 (認知科学選書 13)』 東京大学出版会(1987年)
- "Production and use of mnemonic phrase in paired-associate learning with digits as response-terms", Psychological Report, 33 (1973)
- "Perfomence of expert abacus operators", Cognition, 5 (1977)
- "Mother behavior in an unstructured situation and child's acquisition of number conservation", Child Development, Vol. 51, No.2 (1980)
- "Digit memory of grand experts in abacus-drived mental calculation ", Congnition, Vol.15 (1983)
- "Young children's spotaneous personification analogy ", Child Development, Vol. 58 (1983)
- "Formation of a mental abacus for computation and its use as memory device: a developmental study", Developmental Psychology, Vol. 23, No.6 (1987)
- "The nature of everyday science : a brief introduction", Britiish Journal of Developmental Psychology, Vol.8 (1990)
- "Young children's understanding of the mind-body distinction ", Child Development, Vol. 64, No.5 (1993)
- "Cognitive and cultural factors in the acquisition of intuitive biology" In Handbook of Education and Human Development, Blackwell (1996)
- "A conception of knowledge acquisition and its implications for mathematics education ", In L. Steffe et al. (eds.), Theories of Mathematical Learning, Hillsdale , NJ: Erlbaum (1966)
- "Learning arithmetic with an abacus", In T.Nunes et al. (eds.), Learning and Teaaching Mathematics: An international perspective, Hove. UK: Psychology Press/Erlbaum (1997)
- "Comrehension activity in individuals and in groups ", In M.Sbaurin et al. (eds.), Advances in Psychological Sciences, Vol. 2: Biological and congnitive aspects, Hove, UK: Psycology Press (1998)
- coauthor M.Harris, Learning to Read and Write: A cross -linguistic perspective, Cambridge Press (1999)
- coauthor N.Okada, Affective Minds, Elsevier (2000)
- coauthor K.Inagaki, Young Children's Native Thinking about the Biological world (tetative), Psychology Press. in press
脚注
- ^ ab「日本心理学者事典」
参考文献
- 大泉溥 編『日本心理学者事典』クレス出版 2003年 pp.863 - 866 ISBN 4-87733-171-9