アジア競技大会





アジア競技大会(アジアきょうぎたいかい、Asian GamesまたはAsiad)は、第二次世界大戦後、インドの提唱により始められた、アジアの国々のための総合競技大会。アジアオリンピック評議会(OCA)が主催するため、「アジア版オリンピック」とも言われている。略称で「アジア大会」と呼ばれることもある。




目次






  • 1 概要


  • 2 歴史


    • 2.1 1950年代


    • 2.2 1960年代-1970年代


    • 2.3 1980年代-2010年代


    • 2.4 2020年代以降




  • 3 歴代大会


  • 4 MVP賞


  • 5 実施競技


  • 6 脚注


  • 7 関連項目


  • 8 参考文献


  • 9 外部リンク





概要


基本的に、オリンピックと同様のスポーツが行われるが、ソフトテニス(軟式テニス)、囲碁、シャンチー(中国象棋)、カバディ、セパ・タクロー、空手道などのような、アジアの地域性を反映したオリンピックにはない独特の競技も行われている。


最多開催国はタイで、過去4回に渡りすべて首都バンコクで開かれている。ソ連崩壊後は中央アジア諸国もアジア大会に参加するようになり規模も拡大。柔道、バドミントン等の元来アジア人選手が強い競技の他、中華人民共和国の選手強化、中東諸国のアフリカからの移民選手の参加等の要因により水泳、陸上などの競技レベルも向上し世界記録レベルの競技大会に発展している。


団体競技では翌々年のオリンピック出場枠を争うアジア予選を兼ねる場合があり、個人競技でも同じ国の選手同士で翌年度に集中する夏季オリンピック選考の重要な前哨戦ともいわれる。



歴史



1950年代


1913年から1934年まで、日本、フィリピン、中国の3カ国で行われていた極東選手権競技大会(The Far eastern Championship games)、1934年にインドのニューデリーで開催された西アジア競技大会が源流とされる。


第二次世界大戦の終結後、1947年にロンドンでアジア13カ国の会合がありアジアの総合競技会の開催で一致、さらに1948年7月のロンドンオリンピックにおいてインド、フィリピン、朝鮮(分裂前)、中華民国、セイロン、ビルマが再度、アジアの総合競技大会をインドのニューデリーで開催することを決議。1949年2月にアジア競技連盟(AGF)が創立された。この開催決議はインド選出のIOC委員であったソンディ(Guru Dutt Sondhi)が主導したと言われる。


AGF設立時にはインド、アフガニスタン、ビルマ、パキスタン、フィリピンが加盟し、1950年に第1回大会を開催する予定であったが施設の整備、用具の調達が間に合わず、翌年の1951年にインドのニューデリー市で第1回が開催された。以降、基本的に夏季オリンピックの中間年に開催している。


1958年5月に開催された第3回大会は1964年の東京オリンピック招致活動の最中の東京で行われ、大会に先立つ5月には国際オリンピック委員会総会が東京で開かれ、国際大会の開催能力をIOCに対して示す貴重な機会となった。



1960年代-1970年代


しかし、第4回大会以降はしばしば世界的な政治問題に影響された。1962年8月にインドネシア・ジャカルタで開催された第4回大会にはインドネシア政府がスカルノ大統領の親中国、親イスラム諸国の意向により、台湾とイスラエルの参加を拒否。IOC、国際陸上競技連盟(IAAF)、国際ウエイトリフティング連盟(IWF)は第4回アジア大会は正式競技大会としては認めないと表明、日本選手団は中止されたウェイトリフティング競技以外は参加したが、津島寿一日本体育協会会長が責任を負い辞任するなどの事態となった。翌1963年にIOCがインドネシアの資格停止(オリンピック出場停止)を決議、これに対抗しアラブ諸国12ヶ国が東京オリンピックボイコットを示唆、同年11月にはインドネシアはIOCに対抗し新興国競技大会(GANEFO)を開催するなど東京オリンピックを前にして国際スポーツ界の分裂の火種となってしまった[1]


1970年の第6回大会は韓国ソウルで開催予定であったが1968年1月に北朝鮮の特殊部隊のソウル侵入事件(青瓦台襲撃未遂事件)が発生した影響などで韓国が開催を返上。急遽、前回大会の開催地であるバンコクでの開催となった。


1974年の第7回大会はイラン・テヘランで開催されたがアラブ諸国、パキスタン、台湾に代わり初参加の中華人民共和国と北朝鮮がイスラエルとの対戦を拒否するなどの問題が生じた。またイランはイラン革命前でありこの大会にはイラクも参加していた。


1978年の第8回大会は警備上の問題があるとしてイスラエルの参加を拒否、これに対して国際陸上競技連盟(IAAF)がアジア大会参加選手はIAAF主催の大会に参加させないと表明するなど対抗した。さらに1982年第9回大会(ニューデリー)にもイスラエルはインドへの入国を拒否された。このイスラエル問題は第9回大会の直後に開催されたAGF会議において、アジアオリンピック評議会(OCA)設立がイスラエルを排除する形で決議され、以降のアジア競技大会はOCA主催となったことから、イスラエルのアジアスポーツ界からの排除という形で決着されることとなった。



1980年代-2010年代


1986年からは、それまでの夏季大会に加えてアジア冬季競技大会が行われ、第1回と第2回冬季大会は札幌市で、第5回冬季大会は2003年2月に青森県で行われた。さらに、スポーツ競技数の増加に対応し、2005年からは、室内競技を中心としたアジアインドアゲームズも始められた。


2006年ドーハ大会では過去最多の39競技が実施されたが、次第に巨大化する大会規模を懸念し、いくつかの競技をアジアインドアゲームズや2008年に始めたアジアビーチゲームズに振り分け、2010年広州大会からは35競技に削減する方向にいったんはなった。そしてボディビルがアジアビーチゲームズへ移行することになったもの(ボディビル#アジア大会におけるボディビル競技を参照)、武術太極拳[2]、ダンススポーツ、ドラゴンボート、クリケット、囲碁などが追加され、結局2010年大会では史上最多の42競技が実施された。


2014年仁川大会ではこれを36競技に削減されることが発表され、2010年大会開催競技のうちソフトボール、ローラースポーツ、チェス、ビリヤード、ダンススポーツ、ドラゴンボートの6競技が除外対象とされた。検討された当初はボウリングとクリケットも除外候補であったが、残留した。その後、ソフトボールは野球との1競技扱いで除外を免れ、ソフトテニスもテニスの1種目となった。


2009年7月3日に開かれたOCA総会で、第18回大会の開催を1年遅らせて2019年に開催することが決まった。2012年11月のOCA総会(マカオ)にて2019年の第18回大会の開催地をハノイ(ベトナム)と決定したが、2014年4月17日、ベトナム政府が財政難を理由として大会開催を辞退することを発表した[3]。2014年9月、ジャカルタ(インドネシア)がハノイに代わる開催都市に決定し、開催年も2018年と1年早まった。



2020年代以降


第19回大会は2022年に中国の杭州での開催を予定し、中国の阿里巴巴集団と提携してエレクトロニック・スポーツを正式メダル種目にすることを発表している[4]。第20回大会(2026年)については愛知県・名古屋市(日本)の共催で行われる。



歴代大会


以下は夏季大会のものである。夏季大会以外はアジア冬季競技大会、アジアインドアゲームズ、アジアビーチゲームズなどの項を参照。
































































































































































































日期 開催都市 開催国 参加国及び地域 参加選手数 競技数
1 1951年3月4日〜11日 ニューデリー
インドの旗 インド
11 489 6
2 1954年5月1日〜9日 マニラ
Flag of the Philippines (navy blue).svgフィリピン
18 1241 8
3 1958年5月24日〜6月1日 東京
日本の旗 日本
20 1692 13
4 1962年8月24日〜9月4日 ジャカルタ
 インドネシア
17 1527 14
5 1966年12月9日〜20日 バンコク
タイ王国の旗 タイ
18 1945 14
6 1970年12月9日〜20日 バンコク
タイ王国の旗 タイ
18 1802 13
7 1974年9月1日〜15日 テヘラン
イラン帝国の旗 イラン
25 2672 16
8 1978年12月9日〜20日 バンコク
タイ王国の旗 タイ
27 2876 19
9 1982年11月19日〜12月4日 ニューデリー
インドの旗 インド
33 4635 20
10 1986年9月20日〜10月5日 ソウル
大韓民国の旗 韓国
27 4786 25
11 1990年9月22日〜10月7日 北京
中華人民共和国の旗 中国
37 6122 27
12 1994年10月2日〜16日 広島
日本の旗 日本
42 6828 34
13 1998年12月6日〜20日 バンコク
タイ王国の旗 タイ
41 9780 36
14 2002年9月29日〜10月14日 釜山
大韓民国の旗 韓国
44 9767 38
15 2006年12月1日〜15日 ドーハ
カタールの旗 カタール
45 9520 39
16 2010年11月12日〜27日 広州
中華人民共和国の旗 中国
44 9704 42
17 2014年9月19日〜10月4日 仁川
大韓民国の旗 韓国
45 9501 36
18 2018年8月18日〜9月2日
ジャカルタ/パレンバン

 インドネシア
45 11300 40
19 2022年9月10日〜9月25日 杭州
中華人民共和国の旗 中国
- - -
20 2026年9月19日〜10月4日
愛知・名古屋

日本の旗 日本
- - -


※ 第18回大会は当初2019年に開催が予定され、開催地がハノイ( ベトナム)と決定されていたが、ベトナム政府が2014年4月に大会開催権を辞退した[3]。2014年9月ジャカルタ( インドネシア)がハノイに代わる開催都市に決定し、開催年も2018年と1年早まった。




歴代大会開催地



MVP賞


1998年のバンコク大会以降、サムスン電子がスポンサーとなり、MVPが選出されている。受賞者には賞金などが贈られる。歴代受賞者は以下の通り。














































選手名
競技


1998

日本の旗 伊東浩司

陸上
[5]

2002

日本の旗 北島康介

競泳
[5]

2006

大韓民国の旗 朴泰桓

競泳
[6]

2010

中華人民共和国の旗 林丹

バドミントン
[7]

2014

日本の旗 萩野公介

競泳

[5][8]

2018

日本の旗 池江璃花子

競泳
[9]


実施競技


備考


  • 黒丸 公式種目


  • d 公開種目(エキシビション)



























































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































競技 20世紀 21世紀 備考
51 54 58 62 66 70 74 78 82 86 90 94 98 02 06 10
14
飛込 Diving pictogram.svg
競泳 Swimming pictogram.svg
アーティスティックスイミング Synchronized swimming pictogram.svg
水球 Water polo pictogram.svg
アーチェリー Archery pictogram.svg d 1962年は公開種目
陸上競技 Athletics pictogram.svg
バドミントン Badminton pictogram.svg d
野球 Baseball pictogram.svg d 1990年は公開種目
バスケットボール Basketball pictogram.svg
チェス Chess pictogram.svg
囲碁

シャンチー(中国象棋)
Xiangqi pictogram.svg
ボディビル Bodybuilding pictogram.svg
ボウリング Bowling pictogram.svg
ボクシング Boxing pictogram.svg
カヌースラローム Canoeing (slalom) pictogram.svg
カヌースプリント Canoeing (flatwater) pictogram.svg
クリケット Cricket pictogram.svg
ビリヤード Cue sports pictogram.svg
BMX Cycling (BMX) pictogram.svg
マウンテンバイク Cycling (mountain biking) pictogram.svg
ロードレース Cycling (road) pictogram.svg
トラックレース Cycling (track) pictogram.svg
ダンススポーツ Dancesport pictogram.svg
ドラゴンボート Dragon boat pictogram.svg
馬術 Equestrian pictogram.svg
フェンシング Fencing pictogram.svg
ホッケー Field hockey pictogram.svg
サッカー Football pictogram.svg
ゴルフ Golf pictogram.svg
体操競技 Gymnastics (artistic) pictogram.svg
新体操 Gymnastics (rhythmic) pictogram.svg
トランポリン競技 Gymnastics (trampoline) pictogram.svg
ハンドボール Handball pictogram.svg
柔道 Judo pictogram.svg d d 1958・1962年は公開種目
カバディ
空手道 Karate pictogram.svg
近代五種競技 Modern pentathlon pictogram.svg
ローラーフィギュア Figure rolling pictogram.jpg
ローラースピード Inline speed skating pictogram.svg
漕艇 Rowing pictogram.svg
ラグビー Rugby union pictogram.svg
セーリング Sailing pictogram.svg
セパタクロー Sepaktakraw pictogram.svg d 1982年は公開種目
射撃 Shooting pictogram.svg
ソフトテニス Soft tennis pictogram.svg d 1990年は公開種目
ソフトボール Softball pictogram.svg
スカッシュ Squash pictogram.svg
卓球 Table tennis pictogram.svg
テコンドー Taekwondo pictogram.svg
テニス Tennis pictogram.svg
トライアスロン Triathlon pictogram.svg
ビーチバレー Volleyball (beach) pictogram.svg d 1994年は公開種目
バレーボール Volleyball (indoor) pictogram.svg
重量挙げ Weightlifting pictogram.svg
レスリング Wrestling pictogram.svg
武術太極拳 Wushu pictogram.svg
競技 20世紀 21世紀 備考
51 54 58 62 66 70 74 78 82 86 90 94 98 02 06 10
14


脚注





  1. ^ インドネシアの資格停止は東京オリンピック直前の1964年6月に取り消しされるもGANEFO出場選手はオリンピック参加資格を取り消されたことから結局インドネシアは東京オリンピックに出場することができなかった。


  2. ^ 広州アジア大会12日に開幕! 史上最多13000人が42競技にエントリー公益社団法人日本武術太極拳連盟

  3. ^ abベトナム、アジア大会開催を辞退…経済的理由で[リンク切れ] 読売新聞 2014年4月18日閲覧


  4. ^ “アジアオリンピック評議会が「e-Sports」を競技種目に―2018年「アジア競技大会」から本格デモ導入” (プレスリリース), Game*Spark, (2017年4月19日), https://www.gamespark.jp/article/2017/04/19/72825.html 2017年10月22日閲覧。 

  5. ^ abc“Outstanding Japanese athletes in Asian Games”. gz2010.cn. (2010年1月21日). http://www.gz2010.cn/10/0121/16/5TIKEDL4007802FM.html 2011年5月8日閲覧。 


  6. ^ “S Korean Swimmer Park Named MVP”. China.org.cn. (2006年12月16日). http://www.china.org.cn/english/sports/192727.htm 2011年5月8日閲覧。 


  7. ^ “Lin Dan voted Asian Games MVP”. Jakarta Post. (2010年11月28日). http://www.thejakartapost.com/news/2010/11/28/lin-dan-voted-asian-games-mvp.html 2011年5月8日閲覧。 


  8. ^ 4冠・萩野が大会MVP「賞金は貯金」 伊東、北島以来3人目/アジア大会


  9. ^ “Teenage swimmer Ikee named 2018 Asian Games' "Most Valuable Player" as event draws to a close”. inside the games. (2018年9月2日). https://www.insidethegames.biz/articles/1069493/teenage-swimmer-ikee-named-2018-asian-games-most-valuable-player-as-event-draws-to-a-close 2018年9月2日閲覧。 




関連項目




  • 東アジア競技大会(アジア大会の前年に開催)

  • 西アジア競技大会

  • 東南アジア競技大会

  • 南アジア競技大会

  • 中央アジア競技大会

  • アジア冬季競技大会

  • アジアインドアゲームズ

  • アジアビーチゲームズ

  • アジアマーシャルアーツゲームズ


  • アジアパラ競技大会 - 2006年第9回大会までは「フェスピック」として開催。

  • アジアユースパラゲームズ

  • 極東選手権競技大会

  • アジア新興国競技大会

  • アジア太平洋放送連合



参考文献



  • Huebner, Stefan (2016), Pan-Asian Sports and the Emergence of Modern Asia, 1913-1974, Singapore: NUS Press, ISBN 978-981-4722-03-2, http://nuspress.nus.edu.sg/collections/rest-of-asia-regional/products/pan-asian-sport-and-the-emergence-of-modern-asia-1913-1974?variant=925661658 

    • シュテファン・ヒューブナー 『スポーツがつくったアジア 筋肉的キリスト教の世界的拡張と創造される近代アジア』 高嶋航・冨田幸祐訳、一色出版、東京、2017年11月。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
      ISBN 978-4-909383-00-6。
      - 日本語版。



外部リンク


  • アジアオリンピック評議会(英語)






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