ステップ気候
ステップ気候(すてっぷきこう)とはケッペンの気候区分における気候区のひとつで、乾燥帯に属する。記号はBSで、BShとBSkに分かれる。BSのSはドイツ語のSteppe(ステップ)に由来する。
アリソフの気候区分では気候帯4-1.亜熱帯大陸性気候に相当する[1]。
目次
1 特徴
2 条件
3 分布
3.1 分布地域
3.2 典型的な都市
4 気候の特徴
5 土壌と植生の特徴
6 産業の特徴・その他
7 脚注
8 参考文献
9 関連項目
特徴
BSk気候の地域では,黒や栗色の土壌(チェルノーゼム)に、ステップとよばれる丈の短い草原が広がる。年間を通して降水量は少なく雨季には少量の雨が降る。昼と夜の気温差が激しい。
条件
最暖月の平均気温が10℃以上であり(寒帯では無い)、年平均降水量が乾燥限界 r{displaystyle r}には満たないがr{displaystyle r}の半分以上である地域であり、
以下の式から求められる。条件に当てはまればステップ気候となる。
年間平均気温をt{displaystyle t}(℃)とし、年平均降水量(mm)が0.5r=10(t+x){displaystyle 0.5r=10(t+x)}以上かつr=20(t+x){displaystyle r=20(t+x)}未満を満たす。
x{displaystyle x}は以下の降水パターンの条件によって決まる。
x=14{displaystyle x=14} | w(冬季乾燥/夏雨) | 最多雨月が夏にあり、10×最少雨月降水量<最多雨月降水量 |
x=0{displaystyle x=0} | s(夏季乾燥/冬雨) | 最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多雨月降水量かつ最少雨月降水量が30mm未満 |
x=7{displaystyle x=7} | f(年中湿潤/年平均降雨) | wでもsでもない |
上記の条件を満たすとき年平均気温が18℃以上ならBSh、18℃未満ならBSkとなる。
分布
分布地域
主に砂漠気候からサバナ気候・温帯・湿潤大陸性気候への移行地域に分布(砂漠気候を囲むように分布)
モンゴル・中華人民共和国北部及び西部の一部- インドのデカン高原東部
カーティヤワール半島 - タール砂漠東部 - パンジャーブ州北東部
イランのゴム州、セムナーン州、ゴレスターン州東部- イラン南西部からイラクにかけてのザグロス山脈南麓 - シリア北東部
ヨルダン峡谷からネゲヴ砂漠北部
リビア北部からチュニジア東部にかけての地中海沿岸の低地
チェルノーゼム地帯
プレーリー、グレートプレーンズ
パンパ地方など
南米北部からカリブ海にかけての一部にも見られる。
典型的な都市
この気候区に属する都市には以下のようなものがある。
ラホール(パキスタン)[2] - 砂漠気候に分類することもある。
デリー(インド)- 温帯冬季少雨気候に分類することもある。
マラケシュ(モロッコ)
アルバカーキ(アメリカ合衆国ニューメキシコ州)
カルガリー(カナダアルバータ州)- 湿潤大陸性気候に分類することもある。
ホノルル(アメリカ合衆国ハワイ州)- サバナ気候に分類することもある 。
カラカス(ベネズエラ)- サバナ気候に分類することもある。
リオ・ガジェゴス(アルゼンチン)
ビエドマ(アルゼンチン)
キングストン(ジャマイカ)
ダカール(セネガル)
アリススプリングス(オーストラリア) - 砂漠気候に分類することもある。
北京(中華人民共和国)-亜寒帯冬季少雨気候との境に位置する。
満州里(中華人民共和国内モンゴル自治区) - 亜寒帯冬季少雨気候に分類することもある。
ウランバートル(モンゴル)
チョイバルサン(モンゴル)
アテネ(ギリシャ)-地中海性気候との境に位置する。
アルメリア(スペイン)- 付近にはヨーロッパ唯一の砂漠・タベルナス砂漠がある
気候の特徴
一年中あるいは乾季のみの間中緯度高圧帯の影響下に入るため、日本で言う秋晴れのような乾燥した晴天が続く。雨季にはある程度の雨が降るが、年間平均降水量は250 - 750mmとやや少なめである。
植物の自生は可能であるが森林ではなく、草原になる。また、特にサヘルやアラル海周辺などでは過放牧や過耕作、水源の枯渇などにより砂漠化(土地の不毛化)が進んでいる。
土壌と植生の特徴
黒色土(チェルノーゼム、プレーリー土)、栗色土などの肥沃な土壌が分布している。そのため、灌漑によって耕地化されている地域もある。
産業の特徴・その他
農業が主産業となっている地域が多い。企業による計画的な大規模農業もあるが、個人や集落単位での農業も盛んである。
脚注
^ 矢澤(1989):354ページ
^ 二宮書店編集部、2017、『詳解現代地図』、二宮書店 .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
ISBN 978-4-8176-0397-5 平成29年度版
参考文献
矢澤大二『気候地域論考―その思潮と展開―』古今書院、1989年11月20日、738pp. ISBN 4-7722-1113-6
関連項目
- オガララ帯水層
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